函館市は観光地として知名度も高く、観光資源にも恵まれた街です。ブランド研究所が行った「都道府県&市区町村の観光意欲度ランキング2019」で、札幌市と並んで行きたい街1位に輝きました。
そんな函館市を訪れるのなら絶対に外せない名所があります。何度も行けるのなら別ですが、初めて出会ったり、今後中々行けそうもないのなら、しっかりと優先順位を考えたいところです。
この記事は
- ここさへ行けば函館へ行ったと実感できる場所を知りたい
- これを食べたら函館へ来た甲斐があったと思えるものを知りたい
そんな優先度の高いものを紹介していきます。
ぜひ行っておきたい、函館を感じられる場所
現在の函館市を地図で見てみると意外と面積の大きい都市だと思われますが、これは「平成の大合併」といわれた折の合併により、2004年に周辺の3町1村と合わさったためで、もともとの市域はかなりコンパクトでした。
つまり函館観光の主要な部分は、そのコンパクトだった以前の範囲の中でだいたい収まります。うまく計画を立てると2泊3日くらいのなかでほぼ全てを楽しめるでしょう。
ただ時間が取れなかったり、弾丸ツアー的な強行軍を好まない方にとっては、やはり優先順位の高い所から訪れたほうが満足度は高いと思います。そこでお勧め度の高い所から紹介していきます。
函館ってエキゾチックで素敵なイメージだけど、どこへ行くのが良いのかしら?
そうだね、ちょっと色々調べてみようか。
第1位 これは行かずにはおられない「函館山からの夜景」
「函館と言えば夜景」と言われるくらい有名な夜景です。”100万ドルの夜景“とも言われ、どの団体や人が言ったか不明ですが「世界3大夜景」とも称されています。
単に夜に浮かび上がる光だけでいうなら、函館の夜景より輝く夜景はあるのでしょうが、ここの特徴は”くびれ”とも言われるその形にこそあります。
「百聞は一見に如かず」と言われるように、まずは見て頂きたい光景です。
函館山から眺める夜景ですが、何点か注意点があり、中には人の力ではどうすることもできないものもあります。
まず山頂部へ行く方法はこちらです。
- 函館山ロープウェイ
これが一番無難かつお勧めの方法です。麓から山頂まで約3分で到着し、15分間隔で運行しているので、なんのストレスもなく行くことができるでしょう。
運賃は大人(中学生以上)1,500円、子供700円(ともに往復料金)で、その他団体割引など各種割引もあります(函館山ロープウェイ)。
- 観光バスやタクシー
函館山では登山道路は夕方から22時くらいまでマイカーの進入は禁止されており、営業車のみ入山出来ます。
しかしハイシーズンであればかなり混み、場合によっては渋滞のため2時間以上の時間が掛かります。タクシーであればかなりの料金になる恐れもあるので、その時の状況で判断しましょう。
- 自家用車、レンタカー
函館山登山道は一般車でも走れますが、ほぼ全ての期間17時から22時までの時間は入山できません。昼間の景色を見る分には使えますが、こと夜景に限ると自家用車やレンタカーでの登山はお勧めできません。
名称 | 函館山ロープウェイ山麓駅 |
住所 | 北海道函館市元町19番7号 |
アクセス | JR函館駅からタクシーで10分程度 |
ホームページ | https://334.co.jp/ |
備考 |
第2位 異国情緒漂う元町エリア
「異国情緒漂う街」と言われる函館市ですが、そんな街並みがあるのが元町エリアです。函館山の麓に広がるエリアで、江戸時代に箱館奉行所が置かれたり、函館で最初に栄えた街と言って良いでしょう。
周辺を散策すると、和洋折衷の独特な建物が建ち並び、多くの歴史的建造物が存在しています。
これは函館の歴史と密接にかかわっていますが、ペリー提督によるアメリカの圧力により下田とともに開港された函館(当時は箱館)は異国文化の影響を早くから受けました。
それに関連し建物だけではなく、函館には意外と多くの「日本最初の◎◎」というものが存在しています。
第3位 お土産やオシャレなお店のあるベイエリア
先ほどの元町エリアと函館駅の間に位置するのが「ベイエリア」です。ここは港町として栄えた函館のかつての面影を残す場所で、以前は倉庫として使われていたレンガ造りの建物が当時をしのばせます。
その倉庫群は今ではビアホールであったり、お土産物やアクセサリーなど扱うショップの入る商業施設であったり、建物の雰囲気を活かしながら活用されています。
元町エリアも同様ですが、このベイエリア付近も古い建物をそのまま利用したカフェなども多く、そんなオシャレなカフェへ立ち寄るのも函館の楽しみの一つです。
またクリスマスの時期は「はこだてクリスマスファンタジー」というイベントが開催され、毎年巨大なクリスマスツリーが設置され、冬の函館を盛り上げています。
第4位 新選組最後の戦地「五稜郭」
その星形の独特の形から「五稜郭」と呼ばれる、徳川幕府が1866年に築城した西洋式の城郭です。国の特別史跡の指定された国有財産ですが、函館市が貸与を受け管理しています。
旧函館市のほぼ真ん中のような場所にあり、市内のどこからでもアクセスは良好です。
五稜郭のすぐそばには五稜郭を一望できる「五稜郭タワー」が建ち、五稜郭ともども訪れておきたい観光スポットとなっています。初めて函館へ行く場合は外せない場所ですね!
かつての五稜郭は土塁のみがのこる城郭でしたが、2010年にかつての「箱館奉行所」が復元され、資料館として有料で開放されています。
北海道の桜の開花は遅く、函館でも5月に入るころようやく満開となります。そんな函館で一番の桜の名所がここ五稜郭で、桜満開のころの五稜郭タワーからの眺望は圧巻の美しさです。
付近にはお土産物などのショップも多いのですが、ここが新選組終焉の地という事もあり、土方歳三はじめ新選組グッズが多いのも特徴の一つでしょう。
【五稜郭タワー展望台料金】
展望料金 | 一般 | 団体(30名以上) | 障がい者(手帳提示) |
大人 | 900円 | 810円 | 450円 |
中・高校生 | 680円 | 610円 | 340円 |
小学生 | 450円 | 410円 | 230円 |
小学生未満 | 無料 |
ぜひ食べておきたい函館のグルメ
旅の大きな楽しみが、行った土地の美味しいものを食べるという事でしょう。では何を食べたら良いのか、個人的な好き嫌いは無視して、「函館に来たなぁ」と思えるものをお勧め順にご紹介いたします。
函館市「市の魚」にも指定されているイカ
函館を訪れたなら”避けて通れない”と言っても過言ではないのが「イカ」です。「市の魚」にも指定され、夏から冬にかけては「スルメイカ」、冬から春にかけては「ヤリイカ」と、シーズンを問わず美味しいイカを頂けます。
特に夏のスルメイカは絶品です。これは何故かというと、ちょうどスルメイカが成熟しきったタイミングで函館沖に到達するからで、刺身は透明でコリコリとした食感は最高です。
かつては朝イカといって、とれたてのイカを朝に頂くのが普通だったのですが、今は居酒屋などイカを提供するお店は殆どが「生け簀」を備えており、時間を問わず新鮮なイカを頂くことができます。
ちょっと心配な情報としては、ここ数年はイカの不漁が続いていて、20年前に比べ漁獲量も10分の1、ここ7年でも3分の1以下になっているそうです。
とは言え、「イカの街函館」へ行ってイカを頂かないわけにはいきません。コリコリとした新鮮なイカを美味しく頂きましょう。
大きく脂ののった「ホッケ」
北海道は魚介類が美味しいのですが、道民の中でもポピュラーな食材でコスパが高い魚と言えば「ホッケ」です。実際にホッケの漁獲は北日本がメインで、北海道では大きく脂ののったホッケを堪能できます。
高級魚ではありませんし、普通に居酒屋で「ホッケの塩焼き」を注文するのが王道と言えます。たっぷりめの大根おろしと一緒に頂くホッケは最高ですよね。
函館では普通のホッケだけではなく、「根ボッケ」と言われるホッケも頂けます。この「根ボッケ」ですが、本来は回遊するホッケが同じ場所に居ついて、ブクブクと成長したホッケで、普通のホッケより更に脂がのっています。
どこでも提供しているわけではないのですが、一口食べると「旨っ!」となるのでチャンスがあれば是非お試しください。
函館「塩ラーメン」
「函館へ行ってラーメン?」という意見もあるかもしれません。しかしあえて紹介するのは主観も多分に含まれていますが、函館では澄んだ鶏がらスープの塩ラーメンが美味しい店が多いのです。
北海道でも札幌では味噌ラーメンだったり、旭川では(魚貝系)醤油ラーメンだったり、各地でお勧めのラーメンに特色があります。
函館では元町に中華会館があるように、開港とともに中華圏の文化も流入しており、函館と言えば「支那そば」の流れをくむシンプルなラーメンが主流となっています。
鶏がらスープの誤魔化しの効かないシンプルな「塩ラーメン」で勝負できるお店は本当の意味で「強者」と言えましょう。
本場中国ではラーメンは「点心」の一種です。ちょっと小腹が空いたときに「塩ラーメン」を食べるのも旅の醍醐味でしょう。
ご当地バーガーの王者かも?ラッキーピエロ
今となってはイカと並び称されるほど有名になった「ラッキーピエロ」です。一言でいうと「コスパ最強」です。全国チェーンのマクドやロッテリアの商品と比べ単品価格は高いのですが、クオリティーは全国チェーンが霞むくらいの力があります。
「値段が1.5倍でお味は3倍」といった感じでしょうか。
ラッキーピエロが登場したのは昭和の末期でしたが、最初のころはベイエリアの店舗のみで、地元民でも”知る人ぞ知る”ハンバーガー屋でした。
そんなラキピの転機となったのは全国放送の番組で、函館出身のバンド「GLAY」が「ラッキーピエロに通っていました」と発言したことでしょう。人気者の発言って凄いのですね。
今では函館の観光名所の一つと言っていいかもしれません。今では函館市と近隣の市町で17店舗を展開するほどになりました。
B級グルメかもしれませんが、函館の「ご当地バーガー」是非経験してください。
函館へのアクセス(と、市内の交通)
道外から函館へ行く場合、ほとんどは飛行機か新幹線になるでしょう。道内であればJRか車になるのですが、それぞれメリットとデメリットがあります。
函館空港は全国屈指の「ほぼ市内」なので、JR函館駅までタクシーで行っても2,000円以内で済みますし、函館駅周辺を起点にするなら移動は比較的楽でしょう。
ただ地方都市特有なのですが、各名所を回ろうと思えば車の利用が便利なので、レンタカーの利用を考えるのも効率的かもしれません。
ちなみに観光地だけあってレンタカー屋は多くあるので、野心的な予定を組むなら積極的に利用しましょう。
車で函館を走りたいが、知らない土地だと不安だね。
観光地ですし、地元のドライバーも寛容だと思いますよ。
不安なら公共交通機関も充実していそうですしね。
市内の移動ですがレンタカーは便利ですが、路面電車や路線バスも比較的充実しており、有名どころ巡りであればそれで十分です。
最近は低調らしいという噂の新幹線の場合、終着駅である「新函館北斗駅」から「函館駅」まで快速「はこだてライナー」へ乗り換えが必要です。最終的に札幌まで延伸する「北海道新幹線」ですが、函館駅には直結しませんし、今後もこのアクセスは変わりません。
最後に車によるアクセスですが、札幌から函館まで高速道路を使った場合、片道約300キロにもなります。北海道旅行では札幌を起点として北海道内を巡ることが多いようです。
なかなかのロングドライブになりますし、北海道の一般道は高速道路並みの速度になることも多いので、もらい事故を含め運転には注意しましょう。
【札幌からの主なアクセス】
交通機関 | 細目 | 料金 | 所要時間 |
自動車 | 道央自動車(札幌南IC~大沼公園IC) | 6,120円(休日は4,280円) | 約4時間 |
〃 | 国道230号線(途中から国道5号線) | タダ | 約4時間20分 |
JR北海道 | 特急スーパー北斗 他 | 8,830円 | 3時間50分 |
高速バス | 北海道中央バス 他 | 4,500円前後 | 約5時間30分 |
まとめ
「観光で行きたい街No1」に選ばれた函館です。その魅力は中々伝えきれないのですが、この記事を参考に行っていただけたら幸いです。
プチ情報ですが、函館市は観光振興策の一環として「2020年度函館市グルメクーポン」を配布していて、なんと函館市のホテルに泊まるだけで1人2,000円の飲食店で使用できるクーポンが貰えます。
函館は飲食店のお値段も安めだし、そこで2,000円のクーポンはインパクトが大きいよね。
一人2,000円って意外と大きい補助ですし、これを目的に行くわけではないにせよ、函館市の飲食店を応援する後押しをしてくれる大きな力です。ちなみにこの補助は配布期間が決まっていて、無くなり次第終了です。
このコロナ過の中、旅行へ行くのもままならないののですが、もし函館へ行くことを検討されているのであれば、後悔なく「いって良かった」と思えるような旅行にして欲しいと思い、少しでもこの記事が参考になればと願っております。