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【経理初心者】経理が避けては通れない「消費税」の超基本的なこと

社会

平成元年に導入された消費税ですが、生活するうえでは当り前の「税金」とし定着しています。ところが経理職をしていると消費税の基本的なことって、意外と理解されていないことを知ります。

 

この記事は

★消費税とはなにか?
★不課税や非課税って?
★経理職として気を付けるべきこと

 

こんな「消費税」に関する基本を解説する記事です。

 

消費税って?いまさら聞けないこと

「消費税」というと普段買い物をするときに課税されている10%(食品などは8%)の税金を思い浮かべるでしょう。これは「一般消費税」といわれる分類になり、日本では平成元年4月1日から導入されました。

 

しかしそれ以外にも「消費税」に分類される税金はあり、「個別消費税」に分類される「酒税」「たばこ税」「ガソリン税」などが代表的なものです。

 

今回は皆さんお馴染みの「一般消費税」について解説しますが、「個別消費税」とともに”消費”に対して課税される税金なのです。

 

課税の対象

知っているつもりで意外と「落とし穴」があるのが消費税という奴です。まずはもっとも基本的なことですが、消費税が課される”取引”とは何なのかを知りましょう。

 

消費税法により決められている課税取引は次のものです。

  • 国内において行う取引であること
  • 事業者が事業として行う取引であること
  • 対価を得て行う取引であること
  • 資産の譲渡又は貸付け若しくは役務の提供であること

これらに該当しないものは消費税が課税されない「不課税取引」となります。

 

例えば会社員が貰う「給与」ですが、2つ目の「事業者が事業として行う取引」ではないため「不課税取引」です。また寄付金や祝い金などは”何かの対価”ではないので不課税となります。

 

課税取引の中の「免税取引」と「非課税取引」

先ほどの課税対象取引でも消費税が課税されないものがあります。まずは「免税取引」と言われるもので、字のごとく「消費税を免除」される取引です。

 

分かりやすい例で言うと、海外旅行者が海外へ持ち帰るための買い物なんかは免税取引で、そのため海外旅行者向けのお店に「免税店」という名前が付けられています。

 

また輸出取引も最終消費地が日本以外となるため「免税取引」となります。

 

「免税取引」で経理担当として気を付けなければならないのは、海外旅行の旅費なんかも免税なので、仕訳入力のとき”税区分(消費税の扱い)”には注意しましょう。

 

非課税取引」は課税取引の中で「課税対象としてなじまないもの」や、政策上の見地から消費税を課税しない取引です。主なものは次のとおりです。

 

・土地(借地権を含む)の譲渡・貸付

・有価証券等の譲渡

・預貯金の利息・保険料(生命保険や損害保険)

・支払手段の譲渡(仮想通貨を含む金銭や小切手など)

・切手印紙類、商品券、プリペイドカードなどの譲渡

・国、地方公共団体が行う一定の事務に係る役務の提供

(例えば住民票や印鑑証明の交付など)

・社会保険医療の給付等

・介護保険サービスの提供

・火葬埋葬料

・学校教育に係る費用

・住宅の貸付(1か月未満の貸し付けは除く)

 

これらの取引は「非課税取引」となりますが、経理処理を行うときに”落とし穴“が多い部分でもあります。

 

標準税率と軽減税率

令和元年10月から消費税が10%に増税されましたが、その際に一部取引に対して「軽減税率(8%)」が設定されました。経理としては面倒になったものです。また経過措置により旧税率の取引が残ることとなり、これも軽減税率と混同する間違いが見受けられ注意が必要です。

 

軽減税率と旧税率はともに8%なのですが、消費税の申告上違うものなので、経理処理はきちんと区分しなければなりません。というのも消費税は「消費税(国税)」と「地方消費税」があり、その2つを合わせた税率が10%や8%になっているからです。

 

ちなみに表にするとこのようになります。

区分 消費税(国税) 地方消費税 合計
令和元年9月30日まで(旧税率) 6.3% 1.7% 8.0%
令和元年10月1日以降 7.8% 2.2% 10.0%
  〃   (軽減税率) 6.24% 1.76% 8.0%

つまり旧税率と軽減税率は同じ8%でも、国税と地方税の割合が違うので、分けてないと消費税の申告時に正しく計算されないことになります。

 

軽減税率については皆さんご存じのとおり、食品がメインにされています。しかし未だに謎なのは「新聞(週2回以上発行されるもの)」が軽減税率だということで、政治とマスコミの癒着を感じざるを得ないことです。

 

経理として気を付けるべきこと

経理として取引を仕分けし会計ソフトへ入力していくわけですが、消費税については間違いが多くミスの多い分野です。そこでミスの起こりやすい項目について考えてみましょう。

 

課税取引か否かの間違い

「この取引は課税取引なんだろうか?」と思えることが基本なのですが、そこがスルーされるケースが私の体験上かなり存在します。先日も職場で実際あった会話ですが・・・。

 

この「協賛金」って何の科目にすれば良いのですか?

これって単にお祝い金として資金提供をしているだけだから「寄付金」ですよね。

 

分かりました。

そして会計ソフトに入力すると、「寄付金」なので当然のように消費税は発生しませんが、それに解せぬ女性事務員が

 

協賛金の請求書に消費税が記載されているのに、消費税が計算されません!

と言ってきたので見てみると、確かに協賛金の金額と”ご丁寧に”消費税が記載されていました。たまたま顧問税理士が居合わせたので相談し、請求書は無視して「寄付金」として処理したのですが、さらに解せぬ女性事務員が

 

消費税が掛かっていたら「寄付金」にならないのですか?

 

と言っていました。そうじゃないのです・・・。

 

「寄付金」だから消費税は掛からねぇ~んだよ!

このケースは請求書を出す側がミスをしたのですが、そんなこと税務署の調査じゃ関係ありません。気を付けたいものです。

 

それと気を付けたいのは先ほども触れたとおり「海外出張」などの処理です。私もうっかりして税務調査で指摘されたことがありますが、「免税取引」となる部分があるので注意しましょう。

 

非課税取引の罠

非課税取引を扱い時も注意が必要です。特に多いのが「有価証券や切手、商品券の譲渡」と「居住用住宅の家賃」です。

 

例えば百貨店の商品券を買うとした場合、それの使用目的によって課税区分が変わってきます。自社で買い物をするために買ったのであれば、いったん流動資産の「有価証券」なんかに計上し、使った時に損金へ振替れば良いでしょう。

 

しかし”贈答用”として商品券を買った場合は「交際費」となり、その課税区分は「非課税」となります。そう非課税取引の「商品券の譲渡」に該当します。

 

また社宅を会社契約でする場合なども、居住用の家賃ににあたるので非課税取引になり、なおかつ従業員から控除する社宅費用も「非課税収入」になります。

 

 

まとめ

もうホントに基本的なことしか解説していませんが、少しはお役にたてたでしょうか。私の経理人生も思えば消費税導入の平成元年に始まっており、なんとなく親近感を持っています。

 

ただ大きな設備投資などが絡むと「課税事業者の届出」の有無など、訴訟の多い税目だったので、経理としては慎重に仕事をするべき税目ではあります。

 

経理をしている皆様におかれましては、どうかミスなく「消費税」に打ち勝って欲しいと思うポンコツ経理でした。

 

 

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