ドイツ車といえば「お高いんでしょ?」というイメージがありますが、そんなドイツ車のなかでフォルクスワーゲンは比較的リーズナブル(とは言っても国産車よりはお高いですが)です。
そんなフォルクスワーゲンのラインナップの中で、実質的なエントリーモデルと言えるのが「Polo」です。
この記事は
・Poloはどんな車?
・ポロの特徴はなに?
こんな疑問に答える記事となっております。
フォルクスワーゲン「Polo」とは?
引用:モーターファンHP
フォルクスワーゲンといえば「Golf」や「ビートル」で有名な自動車メーカーです。そんなフォルクスワーゲンの中で「Polo」はボトムエンジ(つまり一番安い車種)として登場しました。
その後は「LUPO」や「Up」などが登場しましたが、今はまたポロがボトムの役目を担っています。
初代の発売は1975年ですが、実質的には初代ビートルの後継車種という位置づけで(ビートルのドイツでの生産は1978年に終了)、ゴルフ譲りの横置きエンジンで前輪駆動というパッケージングです。
現在では6代目となった「Polo」で、この6代目から遂に3ナンバーとなってしまいました。「Poloよお前もか!」というのが正直な感想です。
「Polo」の名前の由来
フォルクスワーゲンの車種の名前は「風」に由来する名前が多く、主力車種である「Golf」は界最大級の海流である「メキシコ湾流」のドイツ語「Der Golfstrom」が由来なのです。
そんな中、この「Polo」の由来は風ではなく、まあ想像どおりスポーツのポロです。それと「東方見聞録」で有名なイタリア人旅行家マルコ・ポーロにもちなんでいます。何故なんでしょうね・・・?
日本におけるポロ
日本においてポロは安定して1万台前後の販売を記録する、フォルクスワーゲンの人気車種です。また歴代「オシャレなタウンカー」というイメージがあり、ユーザーの60%が女性というデータもあります。
この女性ユーザーが多いというデータですが、6代目ポロに関してはよく分かりません。それまでの「かわいい」から「カッコいい」に変わった影響はどうなのか、気になるところです。
フォルクスワーゲン「ポロ」の歴史
1975年の初代発売から45年が経過し、6代目となったポロはどんな歴史を刻んできたのでしょうか。各モデルの生い立ちと特徴を中心に見ていきましょう。
初代(1975年~1981年)
引用:モーターファンHP
1975年3月に初代ポロは販売を開始されました。とはいえ、その中身はと言えば前年に発売された「アウディ50」とほぼ同じ・・・というか、エンジンとエンブレムくらいしか違いがありませんでした。
というのも訳があって、ポロの市場反応を見るためにアウディブランドで投入した・・・との話があります。基本スペックは以下のとおりです。
項目 | 詳細 |
全長 | 3,512mm |
全幅 | 1,559mm |
全高 | 1,344mm |
車両重量 | 685Kg |
搭載エンジン | 900cc直列4気筒 |
エンジン性能 | 40ps(トルク不明) |
ちなみに今売れているHONDAのN-WGNで全長3,395mm全幅1,475mmなので、それほど違いはありませんよね。
2代目(1981年~1994年)
1981年3月にデビューした2代目ポロですが、最初に登場したのが「ポロ・ハッチバック」というモデルです。もう見た目は「2ドアのボルボ・エステート」といった感じで、今見るとものすごい違和感を感じます。
※ポロ・ハッチバック
1982年になりオーソドックスな普通(?)のハッチバックモデルが追加され、1986年にはフォルクスワーゲン初となる過給機(スーパーチャージャー)付きモデル「GT G40」というホットモデルが追加されました。
この2代目モデルは13年という今ではあまり無いようなモデルライフです。日本車と比較すると欧州車はモデルサイクルが長めの傾向がありますが、それでも長いですよね・・・13年って。
項目 | 詳細 |
全長 | 3,725mm |
全幅 | 1,570mm |
全高 | 1,350mm |
車両重量 | 780kg |
搭載エンジン | 1000~1600cc直列4気筒 |
エンジン性能 | 50~115ps |
3代目(1994年~2001年)
引用:モーターファンHP
1994年夏、息の長かった2代目からバトンを受けついだ3代目ポロが登場しました。このモデルはよく見かけましたし、明らかに先代よりクオリティが高くなりました。
日本仕様は1996年に発売されましたが、ABS(アンチロックブレーキ)や助手席のエアバッグが標準装備とされ、クラスを超えた安全性を備えたコンパクトカーでした。
1999年には「GTI」がカタログモデルとして追加されました。ちなみに前年に限定車として「GTI」は登場していたのですが、あくまで欧州限定であり日本で普通に買えるようになったのはこれ以降です。
項目 | 詳細 |
全長 | 3,715mm |
全幅 | 1,660mm |
全高 | 1,435mm |
車両重量 | 1,050kg |
搭載エンジン | 1600cc直列4気筒DOHC |
エンジン性能 | 75~125ps |
4代目(2001年~2009年)
その特徴的な丸目とともに2001年に登場した4代目ポロですが、衝突安全性の向上とボディ剛性確保のため全長が20cmほど大きくなりました。
これくらいの時期からポロに限らず、各メーカーの既存車種がモデルチェンジのたびに大きくなっていきましたね。特に安全性の性能基準を満たすためボンネットの高さが目立つようになりました。
日本での発売は2002年に開始され、ESP(横滑り防止装置)やサイドエアバッグが標準で搭載されるなど、安全装備も充実していました。
またこの4代目ポロには2006年に「クロスポロ」というSUV風テイストのクロスオーバーモデルが追加されました。残念ながら見た目とは裏腹にFFモデルしかありませんが・・・。
項目 | 詳細 |
全長 | 3,915mm |
全幅 | 1,665mm |
全高 | 1,480mm |
車両重量 | 1,140kg |
搭載エンジン | 1400㏄ ~ 1800cc(GTI)直列4気筒 |
エンジン性能 | 80ps ~ 150ps |
5代目(2009年~2018年)
引用:モーターファンHP
2009年のジュネーブモーターショーで発表された5代目ポロですが、これまで同様さらに質感が高まりました。
結果的に最後の5ナンバー規格(あくまで日本基準ですが)となったモデルで、発売当時の同セグメントの中では傑出したクオリティーでした。ちなみに「クロスポロ」は専用パーツの関係で”ギリ”3ナンバーです。
実際にクラスを超えた安全性や先進的技術で、2010年「ヨーロッパ・カーオブザイヤー」や「世界・カーオブザイヤー」を受賞し、日本でも「インポート・カーオブザイヤー」等を受賞しています。
また先代モデルと同様、「GTI」や「クロスポロ」もラインナップに加わり、日本においても多種多様なバリエーションを楽しめるようになりました。
この5代目ポロの日本導入モデルですが、全てのグレードのトランスミッションが「DSG」になりました。この「DSG」は日本人ドライバーには馴染めない方が多いようですが、個人的には”慣れ”の問題なんだと思います。
項目 | 詳細 |
全長 | 3,995mm |
全幅 | 1,685mm |
全高 | 1,475mm |
車両重量 | 1,100kg |
搭載エンジン | 1000cc ~ 1200cc直列3気筒
1400cc直列4気筒(GTIは1800cc直列4気筒) |
エンジン性能 | 105ps(GTIは192ps) |
6代目(2018年~ )
2018年3月に発表され日本でも発売が開始された6代目(現行型)ポロです。車体のプラットフォームに「MQB」を採用したことでサイズが拡大し、日本における”3ナンバーサイズ”となりました。
しつこいようですが6代目となり更にクオリティーが上がり、もうCセグメントと言って良いような出来です。それとリンクしますが、お値段も一昔前のCセグメント同様です・・・。
“セグメント”って何ですか?
ヨーロッパでマーケティング目的で車を分類していて、A(スモールカー)からE(エグゼクティブ)まで5段階に分けているんです。
結構あいまいな部分もありますよね。欧州委員会などではEセグメントの上にF(ラグジュアリー)も設定していますし。
基本モデルには1000㏄の3気筒TSIエンジンが搭載されています。「なに!1000ccだと!?」と思いますが、これが流行の「ダウンサイジング・コンセプト」なんですね。
この6代目ポロの詳細については、この記事をご参照ください。
発売を開始してから約2年ですが、現行モデルなので暇つぶしついでにディーラーへ行き、触れて乗ってみるのも良いでしょう。
まとめ(独断と偏見)
フォルクスワーゲンのポロの歴代モデルを紹介してきました。ポロでも45年という歴史があり、名前を大切にすることは大事なことだと改めて認識します。
日本の自動車メーカーでは一部モデルを除き、簡単にネーミングを変更することが多いような気がして残念で、ある意味フォルクスワーゲンのこの部分は見習ってほしいと思います。
フォルクスワーゲンのポロですが、基本がしっかりとしていて、輸入車を買う入門車種としてはうってつけです。「DSG」への慣れは必要なのかもしれませんが、不安なら試乗することを強くお勧めします。
大きな買い物で失敗しないため、この記事がお役に立てたら幸いです。よい自動車ライフをお過ごしください。