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【車の基礎知識】スタッドレスタイヤとは?特徴やオススメを解説!

自動車

冬になると雪が降ったり路面が凍結したり、ドライバーにとっては過酷な環境になります。南国であれば考える必要もない「冬タイヤ」ですが、少しでも心配があるのなら検討したほうが良いでしょう。

実はウィンタータイヤといっても何種類かが存在しています。その中で日本で一番メジャーな存在と言える「スタッドレスタイヤ」について解説しましょう。

この記事は

・スタッドレスタイヤの特徴は?
・何年くらい履けるの?
・メーカーごとの特徴ってあるの?

こんな疑問を解決する内容となっています。

スタッドレスタイヤってどんなタイヤ?

北国では「冬タイヤ=スタッドレスタイヤ」というくらい、冬期間の必須アイテムです。ではそもそも「スタッドレスタイヤ」とはどのようなタイヤなのでしょうか。

日本での冬タイヤの歴史

1980年代までは「スノータイヤ」に金属製のスタッド(鋲)を埋め込んだ「スパイクタイヤ」が、北国における冬タイヤの主流でした。

スノータイヤの弱点である氷結路で強力なグリップ力を発揮できたからです。しかし冬期間とはいえ常に降雪路であるわけもなく、積雪のない舗装路では路面を削ってしまい、それによる粉塵が問題になってきました。

昔は春になると粉じんが酷くて、なかには喘息になる人もいたわね。

北国でも特に仙台は酷かったらしいですね。

日本では1990年6月に施行された「スパイクタイヤ粉じん発生の防止に関する法律」によって、積雪のない又は凍結の状態にない舗装路でのスパイクタイヤの使用は禁止されました(禁止は1991年4月1日から)。

ただし消防車や救急車などの緊急車両は禁止されていません。

そこで冬タイヤの主役に躍り出たのが「スタッドレスタイヤ」です。

スタッドレスタイヤとは?

「スタッドレスタイヤ」とはその名のとおり「スタッド(ピン・鋲)の無いタイヤ」です。では、どうして冬道に効果を発揮できるのでしょうか?

スタッドレスタイヤには「深い溝」「サイプ」「柔らかいゴム」という特徴があり、これらによって冬道でのグリップを確保しています。

ピンが刺さるのに変わって、このような要素で冬道に効果を発揮するんですね。

そうですね。それらが複合的に作用することで、冬道でのグリップ力を確保しています。

その中でもオールシーズンタイヤやスノータイヤとの一番の違いは「柔らかいゴム(コンパウンド)」です。各タイヤメーカーが性能向上のため、研究に力を入れる技術分野でもあります。

実際に触ってみるとわかりますが、サイプの刻まれたパターンブロックが手で押しても歪むくらい、柔らかいコンパウンドです。

またメーカーによっては、コンパウンドの中に気泡を含ませ吸水・吸着効果を高めたり、ガラス繊維やクルミの殻を混ぜることでグリップ力を向上させるなど、様々な工夫がされています。

スタッドレスタイヤの注意点

数あるウィンタータイヤの中で、特に氷上性能は高いスタッドレスタイヤですが、決して夏タイヤが乾燥路で発揮するようなグリップ力があるわけでもなく、万能というわけではありません。

タイヤに共通するものや、スタッドレスタイヤ特有の注意点があるので、それらを確認しましょう。

スタッドレスタイヤのための慣らし運転

これはスタッドレスタイヤ特有の注意点ですが、各メーカーが工夫を凝らしているコンパウンドは、タイヤが新品の状態では表面に出ておらず、そのままでは本来の性能を発揮できない恐れがあります。

新品だからすぐ効くわけじゃないのね。

この点が夏タイヤとの大きな違いですね。

最近では新品でもそれなりの性能を発揮できるよう、新品タイヤの表面に微細な溝を加工するなど工夫されていますが、やはり100%の性能というわけにはいきません。

メーカーごとに推奨の慣らし運転は違いますが、法定速度内でおおむね100キロから300キロほどの慣らし運転をしておきましょう。

意外と感じる「テレビCM」との差!

昔から個人的に感じていることなのですが、スタッドレスタイヤのCMを見ていると、氷結路でも”びたっと”車が止まる印象があります。

しかし実際にアイスバーンを走行していると、CMのように止まるケースばかりではありませんし、メーカーによっては意外と性能差を感じます。

 

 

スタッドレス慣れをしている人なら良いのですが、初めてやそれに近い方がCMのイメージで冬道を走行してしまうと危険です。そう、過信は禁物なのです。

ドライ路面での反応や性能

たとえ冬期間とはいえ、常に氷雪路や凍結路ばかりではありません。北国でもけっこうドライ路面の走行シーンがあるものです。

スタッドレスタイヤの最大の特徴である「柔らかいコンパウンド」が、ドライ路面では逆に弱点(大袈裟ですが)になります。

柔らかいが故に、ブレーキを踏んだりハンドルを切った時、一瞬反応が遅れます。またメーカーによっては排水性能が低く、降雨時の高速走行などに注意を要する場合があります。

ブレーキやコーナーリングなど、タイヤに負荷をかけると、タイヤがたわむのが分かるんです。

主なタイヤメーカーの最新スタッドレスタイヤ

日々進化を続けるスタッドレスタイヤですが、今各タイヤメーカーの最新スタッドレスタイヤはどうなのでしょうか?メーカーごとに紹介していきます。

ブリヂストン「ブリザック」

日本のタイヤメーカーで、2005年にフランスのミシュラン社を抜いて世界トップシェアの企業です。そのブリヂストンのスタッドレスタイヤが「ブリザック」シリーズです。

北海道や北東北などで装着率No1を誇っており、北国での信頼性の高さが分かります。そのブリザックから2種類のスタッドレスタイヤをご紹介します。

BLIZZAK VRX3

乗用車用のブリザックで最新かつ最上位のモデルが「BLIZZAK VRX3」です。ブリザック登場以来進化し続ける「アクティブ発砲ゴム2」の気泡により氷上の水膜を除去し、グリップ力を得る発想のタイヤです。しかも「ロングステイブルポリマー」を配合することで、経年による効きの低下を防いでいます。

対応車種は軽自動車からミニバンまで、乗用車全般に対応していますが、次に紹介するSUV用のタイヤは別に発売されています。

 

BLIZZAK DM-V3

最新の「アクティブ発砲ゴム2」のグリップ力を、SUVでも最大限発揮できるように、専用パターンを開発し、ブロックの剛性を高めるなど、SUVのために最適化させた「SUV専用」のブリザックです。

 

ブリザック:BLIZZAK公式HP

ヨコハマタイヤ「アイスガード」

正式な会社名は「横浜ゴム株式会社」で国内シェアは第3位のタイヤメーカーですが、そのヨコハマタイヤのスタッドレスタイヤが「アイスガード」シリーズです。

iceGUARD7

アイスガードの最新モデルが「iceGUARD7」です。雪上や氷上での性能は当然ですが、特徴としては普通路面での性能や、経年劣化を抑えたところです。

今までのスタッドレスタイヤは柔らかすぎのせいで、偏った接地面となることが多く、それが普通路での不安定さにつながっていましたが、接地形状やブロック構造を最適化することで、ドライ路面やウェット路面での安定性を向上させています。

アイスガード:iceGUARD公式HP

 

ダンロップ「ウィンターマックス」

住友ゴム工業株式会社が発売するタイヤブランドが「ダンロップ」です。そのダンロップのスタッドレスタイヤが「ウィンターマックス」シリーズです。

余談ですが、CMで「ダンロップは先へ行く」と福山雅治さんが言ってたりしますが、少なくともスタッドレスタイヤに関しては技術が先へ行っていることはなく、実際に「ウィンターマックス」シリーズから、コンセプトを極端に変更したりしています。

WINTER MAXX 03

2020年8月発売の最新モデルが「WINTER MAXX 03」です。従来モデルより氷上でのブレーキ性能とコーナリング性能を向上させ、なおかつ年数が経過しても効きが落ちにくくなっています。

氷上性能については「ナノ凹凸ゴム」により、長く続く効きについては「液状ファルネセンゴム」によって実現し、「最上級の氷上性能」と福山さんが言っておられます。

ウィンターマックス:WINTER MAXX公式HP

 

ミシュラン「エックスアイス」

グルメガイドでもお馴染みのミシュランですが、フランスのタイヤメーカーでブリヂストンに次ぐ世界第2位のメーカーです。

実は1982年に日本で初めてスタッドレスタイヤの販売を開始したのはミシュランです。なんか意外な感じがします。

X-ICE SNOW

ミシュランのエックスアイスシリーズの最高峰モデルが「X-ICE SNOW」です。従来の「X-ICE XI3」からコンパウンドやトレッドパターンを見直すことによって、氷上性能も耐久性も向上しています。

 

また他社のスタッドレスタイヤと明確に違う点として、ケース剛性(簡単に言うとたわまない強さ)やブロック剛性が高く、乗り心地がサマータイヤに近く感じます。ドライ路面での走りはピカイチでしょう。

エックスアイス:X-ICE SNOW公式HP

 

トーヨータイヤ「オブザーブ」

トーヨータイヤのスタッドレスタイヤと言えば「クルミの殻」です。現在のスタッドレスタイヤは「オブザーブ」シリーズですが、クルミの伝統は受け継がれています。

そんなシリーズの最新タイヤが「OBSERVE GIZ2」です。やはり各社コンパウンドの進化に力を注いでいるように、「OBSERVE GIZ2」でも改良を加えたことにより、従来品より氷上性能が8%ほど向上しています。

 

個人的には各社撤退気味である「引っ掻き効果」について、「実際のところどうなのかな?」と思います。もう20年以上前になりますが、その時装着した「クルミ」には効果を感じられませんでしたが・・・。

オブザーブ:OBSERVE公式HP

 

個人的なオススメとまとめ

ここまでスタッドレスタイヤの基本と、主だったメーカーのラインナップを紹介してきました。ではどのスタッドレスタイヤがお勧めなのか?

オススメは地域や使用状況次第です

日本は南北に長く、北海道や北東北のようにスタッドレスタイヤを履かなければ冬を過ごせない地域もあれば、たまにしか雪が降らなかったり、降雪地帯へ行く機会が限られる地域もあります。

北国のように降雪が続いたり、アイスバーンが発生する地域ではブリヂストンの「ブリザック」や、ヨコハマタイヤの「アイスガード」がオススメです。

ずばり言っちゃいますね!

いろいろなタイヤを履いてきた個人的な感想ですけどね・・・。

経験上、圧雪路はともかくアイスバーンでの安心感は、この2つのブランドが突出しています。最初に説明したとおり過信は禁物なのですが、実感ではかなりのグリップ力を発揮してくれます。

いっぽう頻繁に雪上や氷結路を走ることが無い場合は、「エックスアイス」が断然オススメです。タイヤの剛性感が高く、ドライの高速路などでもサマータイヤのような感覚で走行できます。

札幌でも意外とドライ路面が多く、私もここのところ「エックスアイス」を愛用しています。

今回はご紹介していませんが、ピレリ社のスタッドレスタイヤも同様で、ある意味ヨーロッパタイヤの特徴と言えるのかもしれません。

まとめ

スタッドレスタイヤが本格的に普及してから約30年ですが、その進歩は著しいものがあります。「より冬道でのグリップ力が増し」「より効果が長続き」するようになりました。

スタッドレスタイヤを履いても過信することなく、とくにアイスバーンは滑るものだという前提で安全運転を心がけましょう。冬はもうすぐです。

スタッドレスタイヤついでに「冬道テクニック」

主なスタッドレスタイヤについて解説しましたが、ここは”ついで”に冬道での運転について少しばかり参考になる記事を紹介します。

 

基本的なことはこの記事を見て頂けたら分かると思います。ただ補足しなければならない点があり、最終的には「百聞は一見に如かず」という事になります。

そうはいっても「基本」は大事ですし、何より知識があればイザというときの助けになります。皆さんもお気に入りのスタッドレスタイヤを選び、冬道ドライブの基本を覚えて、安全に冬道へチャレンジしましょう。

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