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「シトロエン・2CV」という「シトロエンと言えばこれでしょ!」な車

自動車

「シトロエン」という文字を見ると、どうしても「ルパン三世・カリオストロの城」をイメージしてしまうのは年齢のせいかもしれません。免許を取れる年齢になったころには2CVは「過去の車」というイメージでしたが、調べて見ると1990年まで販売していたのです。

私(だけではないでしょうが)の中でシトロエンという車のイメージを植え付けてくれた2CVという車について見ていきたいと思います。

シトロエンというメーカー

シトロエンはフランスの自動車メーカーで1919年の創業という、欧州の自動車メーカーの中では後発の部類と言えるでしょう。正直なところフランス人に対するイメージは「自分の国大好きな我がまま人間」なので、フランス車は興味がありませんでした。っていうか、あえて無視していたというのが正しいのです。

全く偏屈な考えで恥ずかしいことですが、正直そんなものでした。

ところがシトロエンにはそんな気持ちは不思議と湧かず、どちらかというと親近感すら沸いたのは「2CV」というクラシックカー的な車のお陰かもしれません。

創業者はアンドレ・シトロエンという人物で、社名のまんまです。かの本田宗一郎氏は社名に自分の名前を冠したことを後悔したと伝わりますが、アンドレさんはどうだったのでしょうか?

そんなホンダと似ているところが、シトロエンは新しい技術を積極的に採用する自動車メーカーだったところで、「10年進んだ車を20年間作り続ける」と言われていたことからも納得です。この手の評価は大事なのです。

興味がなかった故の無知

先ほども言ったとおり、フランス車には興味がなかったので知りませんでしたが、シトロエンと同じくフランス車のプジョーは同系列だったのです。

無知ゆえの恥さらしです。プジョーといえばライオンらしき生物が両手を交差するエンブレムで有名でした。最近それを変えたので「何でだよ!」と叫びましたが、そんな声が届くわけもありません。

1976年にプジョー主導で傘下企業となったのですが、2021年からはステランティスという多国籍自動車メーカーの一員で、そのステランティスにはシトロエンの他「フィアット」「アルファロメオ」「クライスラー」「ダッジ」「プジョー」「マセラティ」「ジープ」・・・など、結構有名どころが名を連ねております。

ここ20年くらいで自動車メーカーも大きな塊になったのですね。

そうですね。日本車メーカーでも日産自動車はルノーグループですからね。

とはいえシトロエン好きにとっては、あくまで「シトロエンはどうなのよ?」という点が大事なことで、ちょっとした雑学としてステランティスのことは留めておきます。

現在のシトロエン

グループはともかく現在のシトロエンはどうなのでしょうか。一般的というか私が抱くイメージは「ちょっと変わっている人がチョイスする車」で、実際に現行車種をみても悪く言えばアクが強く、よく言えば通好みのオシャレさがあるデザインです。

デザイン以外にもよく言われることですが「猫足」と表現される、なんともしなやかなサスペンションも評価が高く、これも私の勝手なイメージで「石畳のパリを走るための足回りだろ」なんて思う性格の悪い自分がいます。

ここで超簡単に日本で買えるシトロエンのラインナップを紹介します。

CITROËN C3

シトロエンのエントリー車種であり、価格も外車のなかでは手ごろな価格です。これで猫足を味わえるなら全然アリだと思うのですが、車を持つ目的によってはあり得ないとも言えます。

完全に独断と偏見で言えば「雪に降らない都会で、セカンドカーで持つ」のならトップレベルのお洒落な選択だと思います。

よく言われがちなことで、個人的には”買えない奴のやっかみ”だと思ってますが、「精一杯背伸びしてこの外車かよ」という誹謗中傷が見られ、このC3なんかはストライクな車種とも言えます。思うにそんなこと言っている人は無視するに限るので、オシャレなタウンカーとして有力な選択肢だとオススメしておきます。

現行のC3は3代目モデルで2016年の販売開始です。ちなみにクラスとしてはBセグメントの車で、ベンツやBMWにはありませんが、フォルクスワーゲンのポロアウディのA1がライバルになります。

項目 スペック
全長・全幅・全高 3,995×1,740×1,470
排気量 1200cc
最高出力 110ps
最大トルク 210Nm
価格 2,452,000円~
販売開始 2017年7月

CITROËN C4

最近はどの自動車メーカーもSUVモデルを発売していますが、シトロエンのSUVがC4というモデルです。見た感じシトロエンっぽさがないところが残念で、あえてこれを買う必要があるのか悩むどころか、ほとんど「無い」と言えてしまうモデルです。完全に私見ですが・・・。

クラスしてはCセグメントなので、世界で一番過酷な市場で戦うモデルです。なにせフォルクスワーゲンゴルフメルセデスベンツAクラス、そしてBMWの1シリーズがライバルなんですから。

項目 スペック
全長・全幅・全高 4,375×1,800×1,570
排気量 1,200cc
最高出力 130ps
最大トルク 230Nm
価格 2,900,000円~
販売開始 2022年1月

この上にC5というSUVがあるのですが今回は割愛します。

2CVに話題を戻します

名車と言われる自動車の開発にはドラマがあるのか、それとも名車になったからドラマに見えるのか分かりませんが、このシトロエン・2CVの開発もドラマティックなものです。まずは2CVの開発の経緯から、その後の流れを見ていき自動車界に与えた影響を考えてみます。

開発前の思想と難題の数々

第一次世界大戦後の1919年に創業したシトロエンは、当時画期的だったフォードの大量生産モデルをマネして急成長していました。なんかマネなんて言うと誤解を招きますが、良いところを取り入れるのはビジネスの基本なのです。

1921年に発売した5CVという小型自動車がヒットしたのですが、アンドレは満足していなかったようで、1926年に5CVの生産を中止してしまいます。どうも有りがちなことですが、アンドレ・シトロエンは大型の高級車路線へシフトしたかったようです。

しかし裏目に出た判断に加え、先進技術の積極的導入による設備投資拡大のためシトロエンは経営破綻してしまい、シトロエンの経営はミシュランが参画し、アンドレは経営の第一線から退きます。っていうかアンドレはギャンブル好きだったと言われており、経営拡大もその性格が災いしたと言われています。

その後技術者だったピエール=ジュール・ブーランジェが副社長になり、ミシュランから派遣されたピエール・ミシュラン社長とともにシトロエン再建を実行します。

そんな中、副社長だったピエール=ジュール・ブーランジェはバカンスで訪れた田舎で、未だに手押し車や牛車に頼る農民の姿を見て「何とかせねば」と思った・・・と言われております。

正直なところ、ライバルのいない廉価な小型車は商売になるという判断だったわけで、農民のくだりは眉唾だと思っています。

とはいえブーランジェの要求はとんでもないもので、当時の技術陣の悲鳴が聞こえるようです。それらの要求は以下のとおりです。

  • 50kgのジャガイモ又は樽を載せて走れること
  • 60km/hで走行できること
  • ガソリン3リッターで100km以上走れること
  • 荒れた農道を走破できるだけでなく、カゴ一杯の生卵を載せて荒れた農道を走行しても、1つの卵も割ることなく走れるほど快適で乗り心地がよいこと
  • 車両重量300kg以下
  • もし必要とあれば、初心者の主婦でも簡単に運転できること
  • スタイルは不問

名車と言われる車の開発秘話にありがちですが、当時としてはとんでもない要求なうえ、それを全ての農民が手に入れられる低価格車で「やれっ!」というのですから、これも技術者に灰皿を投げつけていたという本田宗一郎を髣髴とさせます。

その後、第二次世界大戦の影響もあり市販化には時間が掛かりましたが、TPVという試作車と、それを量産化しかけていたことが分かっています。

いよいよ2CVの販売開始

1948年10月7日、フランス最大のモーターショー「パリ・サロン」で2CVが発表されました。その結果は「酷評の嵐」でした。当時の常識からかけ離れたスタイルから、今でも見られることですがジャーナリスト(←当てにならない存在の代表)たちは「醜いアヒルの子」「乳母車」などの罵声を浴びせたそうです。

しかし大事なのは市場の評価なわけで、フランス国内市場では評価され売れまくる結果となりました。マスコミは今も昔もゴミなのです。

結局のところブーランジェの考えていた「廉価な車は新しい市場を生む」ということは正しかったわけで、2CVが廉価なだけでなく、維持費も低廉で扱いやすくて信頼性に富み、高い実用性と汎用性を有していることは、短期間のうちに大衆ユーザーたちに理解されたのです。

ちなみに2CVという車名ですが、「2馬力」を意味するフランス語の deux chevauxを略した名前です。375cc~602ccのエンジンを搭載しており、正直なところ今の感覚で言えばタウンユースのスクーターみたいなものです。

しかし1990年まで製造していたことは驚きで、未だに「サードカーなら欲しい」と思っています。

40年にもわたって製造を続けるという異様に長い期間は、フォルクスワーゲン・ビートルⅠや初代MINIに匹敵する記録的なものです。

シトロエン2CVのスペックと中古車相場

パリの風景にやけに馴染む、今となってはオシャレに感じるシトロエン・2CVです。戦後間もないころの車なので、今の基準で見てしまうと恐ろしく小さく、恐ろしく低スペックなのですが、そんなことは2CVには関係ありません。

2CVの基本的なスペックは以下のとおりです。

項目 スペック
全長・全幅・全高 3,780×1,480×1,600
車両重量 500kg
排気量 375cc ~ 602cc
最大出力 9ps ~ 29ps
駆動方式 FF(前輪駆動)
トランスミッション 4速MT
乗車定員 4名

全長以外は現在の軽自動車と変わらないサイズですし、今見かけたら相当小さく感じるでしょう。

生産中止から30年以上経過している2CVなので、状態の良い中古車は少なくなっていますし、もし購入を検討するなら維持費も覚悟しなければならないでしょう。ある意味「骨董品の収集」のようなものです。

実際に中古車相場を調べると車両本低価格で100万円~220万円ほどするので、実用品というよりコレクターズアイテムというところでしょうか。その覚悟があるのなら「魅力的な動く骨董品」と言えます。

まとめ

買おうと思ったことはないにせよ、昔から気になる存在だったシトロエン・2CVです。理想を言うのならバカでかい室内ガレージ付きの一軒家に住んで、サードカーとして2CVを所有して、週末ガレージの中でコーヒーでも啜りながらウットリと2CVを眺める生活をしてみたいものです。

旧ビートルや旧MINIも同じような存在ですが、発売当時は機能性の塊でも、時代の変遷とともに底知れない魅力を放つものが「自動車」であることを教えてくれるのが、シトロエン・2CVといいう車なのかもしれません。

 

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