1974年に初代ゴルフが半世紀近く過ぎました。その間「Cセグメントのベンチマーク」「セグメントリーダー」という名声を保ち続けたゴルフも8代目となりました。
本国ドイツでは2019年10月に発表されていた「ゴルフ8」ですが、ついに2021年6月15日に日本でも発売されました。まだ私は実車を見ていませんが、期待は高まるばかりです。
この記事は
★どんなグレードが発売されるの?
★今後の展開は?
こんな疑問にお答えする内容となっております。
ゴルフ7からゴルフ8で何が変わったのか?
2012年にデビューしたゴルフ7ですが、2019年に8代目ゴルフが本国ドイツでデビューしているので7年ぶりのフルモデルチェンジです。
今まで代を重ね確実に進化してきたゴルフです。期待が高まりますが7代目から8代目に代わりどう進化したのでしょうか?
デジタル化の嵐
今回8代目となったゴルフの何が変わったのでしょうか。何より「あっ!」という変化はコックピット内にありました。
ドライバーズシートに座り目の前に広がる光景こそが一番の変化だと言えます。インパネのデジタル化は7代目から(オプションでしたが)採用されていましたが、ほとんどの操作が液状パネルからなされるようになっています。
その結果、従来の「車らしさ」が少なくなり、「未来の乗り物」へ近づいた感じがします。
目をやらなくても操作できたことが出来なくなったことは「ドライバリティ」という点では疑問ですが、AIの能力によって音声で操作できる範囲が広がったとのことです。
いまの車にも「音声による操作」機能はついていますが、周りの目が気になって使えません・・・。
なんか実際に触れていので断言できないのですが、恐らく「オールドドライバー」にとっては難しい予感がします。慣れるのに時間が掛かり、結局付属している機能の殆どを使わないのではないのかと思っています。
世界的に「自動運転」を目指す中で、今回のような進化は致し方無いのかもしれません。しかし私もオールドタイプのせいかAIに向かって「ヘイ!温度を3度上げてくれよ!」なんて恥ずかしくて言えません。
エクステリアの変化
自動化や操作系の変化はともかく、最初に目に飛び込んでくるエクステリア(外観)はどうなんでしょうか。まずは7代目とのサイズを比較してみましょう。
GOLF8 | GOLF7 | |
全長 | 4,285mm | 4,255mm |
全幅 | 1,790mm | 1,800mm |
全高 | 1,455mm | 1,452mm |
全長が30mm長くなった以外は誤差の範囲と言えるのではないでしょうか。という事は操作性や取り回しはゴルフ7とあまり変わらなでしょう。
肝心なデザインについてですが「また少しカッコよく、高級になった」というのが正直な感想です。目を引くのがフロントマスクで、ボンネットのキャラクターライン(プレスによる線状の部分)が追加され、高級感が増しました。
これって私自身が最近のデザインに毒されているのかもしれませんが、キャラクターラインが増えると”高級感”が増したと思ってしまいます。
また現行のパサートから続く「フロントグリルからヘッドライトまで一直線に続く造形」も、より洗練され違和感なく受け入れられるデザインになりました。正直パサートでこのデザインを見た時には「えっ!」と思ったのですが、かなり煮詰められた感じがします。
日本で発売されるGOLF8のグレード
いよいよ日本でも2021年中に発売される「ゴルフ8」ですが、最初はハッチバックスタイルのみで、しかもすべてマイルドハイブリッドシステムの3つのグレードが投入されます。
eTSI Active
日本導入モデルのベースグレードと言えるのが「eTSI Active」です。1Lの3気筒直噴ガソリンターボエンジン(TSI)に48Vのモーターアシストが付いたモデルです。
排気量1リッターのエンジンと言えば昔で言うと「トヨタ・スターレット」や「日産・マーチ」と同じで、今や昔の「Dセグメント」くらいの大きさになったゴルフに似つかわしくないと思ってしまいます。
しかしダウンサイジングも極めると1Lエンジンで110馬力を発揮できるのですね。トルクは知りませんが・・・。
eTSI Style
この「eTSI Style」が日本市場で主力モデルとなることは確実だと思います。ゴルフ7で言えば「Highline」といったところです。
エンジンはワンランク上で1.5Lの4気筒TSIエンジンに、Active同様48Vのモーターアシストが付いています。実は1.5Lエンジンには130馬力と150馬力の2種類があります。「eTSI Style」日本発売モデルには150馬力のエンジンが搭載されます。
eTSI R-Line
日本に投入されるモデルの最上位モデルが「eTSI R-Line」です。専用シートをはじめ(取り敢えずの)最上位モデルらしい装備となっています。
エンジンは「eTSI Style」と同様1.5Lの4気筒TSIエンジン+Active同様48Vのモーターアシストなのですが、こちらも「eTSI Style」と同様150馬力バージョンが搭載されます。
つい先日までは「まさか130馬力?」と気になっていました。とりあえず一安心ですね。
気になるお値段は?
日本での販売価格ですが表のとおりです。
グレード | 搭載エンジン | 価格 |
eTSI Active | 1.0L+48Vモーター(110馬力) | 312万5,000円 |
eTSI Style | 1.5L+48Vモーター(130馬力) | 370万5,000円 |
eTSI R-Line | 1.5L+48Vモーター(150馬力) | 375万5,000円 |
装備が進化したうえ、導入されるのが「マイルドハイブリッド」モデルなので、意外と高くならなかったという印象です。しかしゴルフ7からは確実に高くなりました。
ちなみにオプションを付けると上位2モデルは「実質400万円スタート」となってしまいます。
ホント最近は車が高くなりましたよね。
軽自動車にまで衝突安全ブレーキなどの装備を充実させたので、価格は高くなりましたね。
「ゴルフ8」今後の展開は?
世界的なコロナ過の影響もあって日本発売が遅れてきましたが、まずは3グレードでの発売が決まり「フォルクスワーゲン・ジャパン」もホッと一息でしょう。
しかし今後は他のバリエーションも発売されるでしょうし、すぐにゴルフ8へ飛びつくのかどうなのか悩みどころとなりそうです。では今後発売される(であろう)モデルを考察しましょう。
ゴルフGTI & R
ゴルフといえばホットハッチの代名詞である「GTI」と、さらに過激なモデル「R」の存在抜きでは語れません。特に「GTI」は初代モデルから続く伝統あるホットハッチなので、モデルチェンジのたびに気になっている「ゴルフファン」の多いモデルです。
本国ドイツでは2020年9月にGTI、11月にRが発売されています。新型ゴルフの発売から日本導入までのタイムラグを考えると、これらのモデルの日本登場は2021年以降になりそうですね。
もう発売されているラインアップとスペックや予想価格(独断)を見てみましょう。
グレード | エンジン | 最高出力 | 最大トルク | 予想価格 |
GOLF GTI | 2.0L直噴ガソリンターボ(TSI) | 245ps | 370Nm | 約480万円 |
GOLF R | 2.0L直噴ガソリンターボ(TSI) | 320ps | 420Nm | 約600万円 |
お高いのは仕方ないことですが、今回の「R」はさらに走りへ磨きをかけたようで、もともとの4輪駆動システム「4motion」に「Rパフォーマンス トルク ベクタリング」が追加され、識者曰く「コーナーリング時の敏捷性」が上がっているそうです。
っていうか正直「一般人はそこまで攻めた運転しねーよ!」と思わないでもないのですが、車の性能に余力があるという事は”安全”に直結することなので良いことと言えるでしょう。
ゴルフ・ヴァリアント
日本では人気の廃れて久しいワゴンモデルですが、少なくともドイツ車を買う人たちにとっては「ワゴンだから買う」という購買層が存在しています。
ゴルフのワゴンモデルである「ヴァリアント」ですが、本国ドイツでは2020年9月に販売が開始されました。
デザインを見ると今までのワゴンモデルよりリアの傾斜が大きくなり、個人的には「少し高級化を目指しているのか?」と思いましたが、まぁ素直にカッコいいデザインと言えます。
ドイツで発売されたモデルは2.0Lのディーゼル(TDI)が2種類と、今回日本で発売される「eTSI Active」と同じ1.0LのTSIエンジン+48Vモーターのハイブリッドモデルです。
ゴルフ・オールトラック
先代のゴルフ7から追加された「Alltrack」ですがゴルフ8でも無事(?)販売されました。搭載エンジンは2.0Lのディーゼルエンジンで200馬力のエンジン出力に、トルクも40.8kgmというスペックとなります。
個人的な話をさせてもらえればゴルフ7にオールトラックが追加された直後に「フォルクスワーゲン・ディーゼル問題」が明るみに出て、ついオールトラックを買った私も肩身の狭い思いをしたもです。
「大丈夫なんだろうな?フォルクスワーゲン!」という気持ちもあるのですが、実際このようなクロスオーバーモデルにこそTDI(ディーゼル)モデルは相応しいので、どのような感じなのか今から楽しみではあります。
まとめ
全てが分かっていない中で、とりあえずゴルフ8について書いてきましたが、正直「フォルクスワーゲン・ジャパン」には申し訳ないのですが、すぐ買うのは止めた方がイイのではと思いました。
いずれラインナップも増え、選択肢が広がってから「じゃ、検討する?」くらいな感じでいたほうが良さそうですし、後から後悔するのは”値段”と見合いません。
しかし新型の登場は楽しみですし、一刻も早く「見て触れたいと」思っている私がここのいるのです。